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PFAS(PFOS、PFOA、PFHxS) 分析 調査

【PFASとは】

  • PFAS(“ピーファス”)とは、ペルフルオロアルキル及びポリフルオロアルキル化合物(per- and polyfluoroalkyl substance)の略称で、4370物質以上が特定されており、PFCsと総称されることもあります。
  • PFASのうちこれまでに注目されてきたのは、炭素鎖数が8個のスルホン酸であるPFOS(“ピーフォス”、図1)とカルボン酸であるPFOA(“ピーフォア”、図2)で、撥水撥油剤、界面活性剤、半導体用反射防止剤、金属メッキ処理剤、水成膜泡消火剤、殺虫剤、調理用器具のコーティング剤等に幅広く使用されてきました。泡消火剤は航空施設等において事故時だけでなく訓練時にも使用されていることから、環境への排出が懸念されています。全国の泡消火剤の在庫量は、2020年度調査では約340万リットルとなっています。
  • 最近ではPFOSの代替品の一つとして用いられている炭素鎖数が6個の同族体PFHxSも注目されています。
  • PFASの構造の中心となっている炭素とフッ素の結合エネルギーが強いことから、化学的に安定で耐熱性・耐光性を示し、分解されにくいために環境中に広く存在し、生物への蓄積も懸念されています。

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【PFOS、PFOA、PFHxSがクローズアップされた経緯】

  • 残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(POPs条約)において、PFOSは2009年に付属書B(製造、使用、輸出入を制限すべき物質)に、PFOAは2019年に付属書A(製造、使用、輸出入を禁止すべき物質)に、さらにPFHxSは2022年に付属書Aに追加されることが決定しました。この他PFOAよりも長鎖のカルボン酸(炭素鎖数9~21)の追加も検討されています。
  • 国内ではこのような動きを踏まえ、2010年にPFOSが化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)の第一種特定化学物質に指定され、2021年にはPFOA、2023年にはPFHxSも第一種特定化学物質に指定されました。
  • 水道水の水質管理としては、PFOS 及びPFOA を水質管理目標設定項目に位置づけ、PFOS 及びPFOA の合計値として暫定目標値50ng/L が、2020年4月1日に施行されています。
  • 水環境中のPFOS及びPFOAについては、2014年に要調査項目として位置づけられ、知見の集積が図られてきましたが、2020年に「水質汚濁に係る人の健康の保護に関する環境基準等の施行等について(通知)」において要監視項目に位置づけが変更され、指針値(暫定)として「0.00005mg/L以下」(50ng/L以下)の値が示されました。PFHxSについても2021年に要調査項目として位置づけられました。
  • 2021年度の公共用水域・地下水質測定結果(常時監視)によると、公共用水域では調査地点816地点のうち38地点、地下水では317地点のうち43地点において指針値(暫定50ng/L)を超過しています。
  • また水質汚濁防止法においては、「公共用水域に多量に排出されることにより人の健康若しくは生活環境に係る被害を生ずるおそれがある物質」が指定物質として定められていますが、2023年2月1日にPFOS及びPFOAを含む4物質が新たに追加されました。

【ムラタの取り組み】

【使用する測定・分析機器一覧】

 LC-MS/MS装置
  • 液体クロマトグラフ/タンデム質量分析計(LC/MS/MS)

【関係法令等】


【参考文献】

  • 技術情報 環境関連の技術情報を分かりやすく解説。
  • MURATA’S Quarterly 社内四季報。
  • 社員ブログ 会社のイベントやこぼれ話、社員のプライベートなどをご紹介。
  • マイナビ2024