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微小粒子状物質(PM2.5)の測定機器1

PM2.5を測定するには、どのような機器が必要なのでしょうか。
今回は、「PM2.5の測定機器」についてです。

<PM2.5の測定とは>

 これまで測定されてきたSPMは、PM2.5と比べるともうすこし大きい粒子が含まれているために重量も重くなります。そのため、誤差も少なく測りやすかったのですが、PM2.5はSPMに比べると軽いうえに吸湿性や潮解性がより高く、気温や湿度の影響を受けやすいことで誤差が大きくなってしまうことが心配されました。
 そのため、環境省では、環境基準制定の検討と同時に、測定方法についても検討を行う中央環境審議会大気環境部会微小粒子状物質測定法専門委員会が開催されていました。
 測定方法は「大気中微小粒子状物質暫定マニュアル」が元になっていますが、最終的にはPM2.5の標準測定方法と標準測定法の等価法(以下、等価測定法)が規定される見込みです。
 では、実際にどのような測定をすることになるのでしょうか。
 今回は、概ね最終案と見られる平成21年7月10日中央環境審議会大気環境部会「微小粒子状物質に係る環境基準の設定について(答申案)」の資料をもとに整理してみましょう。

図1

 PM2.5の標準測定法は、ろ過捕集による質量濃度測定法(以下「フィルタ法」といいます)と呼ばれる、フィルタに捕集した粒子の重さを測定する方法になります。フィルタ法は誤差が少ないことや、発生源解析などに必要な成分分析に適していますが、反面、フィルタ交換や秤量などの人的作業が必要なために、地方自治体で行う常時監視や解析のための時間変動の把握などにはあまり適していません。その場合には、標準測定法と同じような値を測定できる自動測定機を等価測定法として運用することになります。
 つまり、その目的に応じてフィルタ法や自動測定機を使った測定を選択すればよいのです。
 では、それぞれの方法について、特徴をみてみましょう。

【ワンポイント用語説明】

※ 潮解性とは
物質が空気中の水分を含むことで水溶液となる性質をいいます。潮解性物質ごとに潮解する相対湿度が決まっていて、その湿度に達すると潮解し水溶液になります。

微小粒子状物質(PM2.5)の測定機器1
微小粒子状物質(PM2.5)の測定機器2
微小粒子状物質(PM2.5)の測定機器3

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