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騒音

 環境問題の中で、私たちの日常生活に最も身近なもののひとつとして、「騒音」が挙げられます。音には様々なものがあり、個人差や心理状態などにより感じ方が異なるため、客観的に測定・評価する必要があります。

【騒音とは】

  • 環境基本法で規定されている公害の一つです。
  • 騒音とは、様々な音の中で「不快に感じる音」のことを指します。一般的に、大きな音や不協和音などは騒音とされますが、個人差や心理状態などにより何を騒音と感じるかは異なります。
  • 騒音には、道路交通騒音、工場騒音、事業所騒音、建設作業騒音、新幹線(鉄道)騒音、航空機騒音、環境騒音などがあります。
  • 聴覚障害、睡眠障害、頭痛やめまい、ノイローゼ、作業効率低下、会話障害などの健康障害の原因となり、地価の低下、土地利用の制限などの社会的な影響を及ぼすこともあります。
  • 測定器には、普通騒音計、積分機能付普通騒音計、精密騒音計などがあります。
  • 単位は「dB(デシベル)」が用いられ、騒音の種類により等価騒音レベル(Leq)やうるささ指数WECPNLなどに演算し評価します。

【騒音に関する規制と動向】

 騒音が大きな問題となったのは1960年代からで、工場、事業所、建設現場、自動車、航空機などから発生する音が原因でした。これらの騒音対策として昭和42年に「公害対策基本法」が、昭和43年に「騒音規制法」が制定されました。「騒音規制法」では工場、事業所、建設作業、自動車騒音に対する規制が敷かれ、さらに平成5年に「公害対策基本法」に代わり「環境基本法」が制定され、騒音に係わる環境基準が定められました。
 「環境基準」では、環境騒音、航空機騒音、新幹線騒音などについて、「騒音規制法」では特定施設・工場騒音、建設作業騒音、自動車騒音などについて定められています。
 環境基本法第16条では「大気の汚染、水質の汚濁、土壌の汚染及び騒音に係る環境上の条件について、それぞれ、人の健康を保護し、及び生活環境を保全する上で維持されることが望ましい基準を定めるものとする。」と定められています。また、工場・事業所及び建設工事については、騒音規制法に基づき各都道府県で騒音の基準を定めています。


【ムラタの取り組み】

  • 最新の機器とシステムの活用
     自動演算機能や実録音モードを備えた測定機器の使用、周波数分析やFFTによるデータ解析に加え、GISデータと連携可能な騒音予測システムなども導入し、各種騒音調査の場面で活躍しています。
    なお、FFTとは高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform)の略称であり、フーリエ積分を利用した、時間領域(波形)と周波数領域(波形)の変換公式です。また、GISとは地理情報システム(Geographic Information System)の略称で、地理情報を電子データで利用し、レイヤ構造で各種データを重ね合わせて表示・解析を行うアプリケーションのことです。

【測定機器】

  • 積分型騒音計
     時間率騒音レベル(Lx)や、等価騒音レベル(Leq)、単発騒音暴露レベル(LE)などの積分量を測定する機能を持った積分型普通騒音計です。
     測定値を任意の時間で演算させることが可能で、当社のデータ処理システムを併用し迅速に行うことが出来ます。また測定の状況に応じ、実音録音を行うこともできます。

【用語解説】

  • dB(デシベル)
     音の大きさを表す単位。人間が聞き取れる一番小さな音のエネルギーを基準とし、基準の音の何倍あるかの桁数×10倍で示されます。
  • 等価騒音レベル(Leq)
     環境基準で定められる評価の指標。騒音のエネルギーの時間的な平均値という物理的な意味合いを持ちます。間欠的な騒音を始め、あらゆる種類の騒音の総暴露量を正確に反映させることが出来るため、道路交通騒音や日常生活における騒音など幅広く用いられます。
  • A特性
     騒音計の周波数補正(周波数領域で重み付け)の一つ。人間の聴覚の周波数特性を模したもので、低周波領域と高周波領域での感度が鈍くなる特性を持っています。騒音測定では、通常この重み付けが使用されます。他に衝撃音の測定などに用いられるC特性や周波数補正を行わないF特性があります。
  • 時間重み付け特性
     耳の時間応答に近似させたFAST(早い動特性:時定数 125ms)と変動する騒音の平均レベルを指示させるためのSLOW(遅い動特性:時定数 1s)があります。通常、騒音測定にはFASTが使用され、航空機騒音や鉄道騒音などではSLOWが使用されます。

【関係法令等】

 

 【関連WEBサイト】