2008年07月01日

粒子状物質と花粉症

花粉症  弊社では、様々な大気中の物質を調査しており、一般のご家庭に協力を依頼することもあります。ご家庭にお邪魔するときには、花粉についての質問をよく受けていました。最近では花粉症に悩まされる方が多いので、やはり興味をもたれるのでしょう。

 そこで、今回は大気中に浮遊する粒子についてのお話をしたいと思います。

 多くの調査で対象としている物質は直径10μm以下なのに対し、花粉は20μmから50μmですが、どちらも同じ粒子状物質(粒子)です。この粒子が含まれている空気をある壁面に吹き付けると、空気は壁面にぶつかる流れと壁面を避ける流れができます。このとき小さな粒子はこの壁面を避ける流れに乗りやすくなりますが、大きな粒子は慣性力により、この流れに乗り切れず壁面に衝突しやすくなります。

 同じことが人の呼吸器でも起こります。人の鼻は鼻毛というフィルターがあるうえに、湾曲している部分が多いため、大きな粒子は気管などにたどり着く前の鼻腔や咽頭、喉頭などの壁面に沈着してしまうのです。それに対して小さな粒子は空気の流れに乗ってしまい、気管や気管支、肺などに到達する比率が高くなるのです。ここで沈着した2.5μm以下の小さな粒子は呼吸器疾患など悪影響を及ぼすことが指摘されているため、近年多くの機関で調査研究が進められています。

 もっとも、大きな粒子である花粉は鼻腔などに沈着し、いわゆる花粉症の症状を及ぼすのですから、大きな粒子も小さな粒子もなんらかの健康影響を与えているといえます。また花粉は自動車排出ガスが多いところでは、花粉症が重症化する可能性があるという説もあります(大気汚染と花粉症の相互作用に関する調査研究結果(平成14年度分)について(環境省ホームページ))

 大きな粒子でも小さな粒子でも、疫学的評価(生物集団に対しての影響や効果)は非常に難しいのですが、弊社でも、粒子の物理的・化学的性状研究や大気中濃度の調査をとおして疫学的評価のためのデータを提供することで、皆さんの健康を守るお手伝いができればと思っています。

(大西)

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