2009年12月07日

環境調査に携わって思うこと

私は、環境調査を実施する部門に所属しています。

この間、とある地域で道路沿道の騒音調査を行いました。
大都会とは違い、車両の走行は少なく、小川のせせらぎや鳥のさえずりが聞こえ、周辺環境もよいところです。
夏場のセミの鳴き声の影響を差し引いても、環境基準は十分にクリアすることが予想されていました。

ところが、です。
実測した結果は、大都会とそれほど大差ないものでした。

現地は、道路幅がやや狭くなっていました。
地域の状況から、道路が作られた当初は、十分な道幅だったと推測されます。
その後、道路が改修された際、車道の幅が広くとられたようです。
道路の幅は変わらないので、その分、路肩と歩道は狭くなりますが、歩行者や自転車の通行に支障はありません。
もちろん、車両の走行量が少なく、往来に影響がないことも確認できます。
それなのに、この結果はどういうことでしょうか。

近隣のかたにお話をうかがったところ、ここ数年、通行車両に変化が見られるようになったとのことです。
車道が広くなったことで、10tクラスのダンプトラックが頻繁に往来されるようになったのです。

調査の間も、10tダンプの影響は予想以上に顕著でした。
車道が広がると、官民境界線と車道の距離が近くなり、マイクのごく間近をトラックが通過することになります。
これでは、騒音レベルが高くなって当たり前です。

今回、現地までは、高速道路や国道、主要地方道を、陸路、車で移動したのですが、市区町村の境辺りで、急に道がよくなったり、悪くなったりすることがありました。
国道や、主要地方道の一部には、拡幅工事の途中で、すっかり工事がストップしていて、放置に近いような状況もみられます。
高速道路の整備も大事ですが、そこへアクセスするために利用される周辺道路と、その道につながる生活道路の整備も重要なんだなと、つくづく思います。

今回、影響が確認された10tダンプは、工事や道路整備に欠かせない車両です。
我々の生活環境を豊かにし、維持するためには、必要不可欠です。
一方、どこにでもある生活道路。地域のために、よかれと思って整備したにも関わらず、開発に必要な車両の走行によって生活環境の悪化を招く、という皮肉な結果を生みました。

公害問題が環境という言葉へ変わり、生活環境もだいぶ改善されてきました。
それに伴い、我々が実施する環境調査も、経済活動の観点からみると、規模が縮小傾向にあります。
しかし、こういった状況を目の当たりにすると、環境調査も、まだまだ、社会にとっては必要なんだなと実感します。
今後も引き続き、責任と自覚を持って、業務に当たりたいと思います。

(H&K)

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