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PFOS、PFOAの水質分析

【PFOS、PFOAとは】

  • PFOS(ピーフォス)及びPFOA(ピーフォア)は、有機フッ素化合物(PFCs)の一種です。PFCsは、撥水・撥油性、熱・化学的安定性等の物性を示し、例えば、撥水撥油剤、界面活性剤、半導体用反射防止剤、金属メッキ処理剤、水成膜消火剤、殺虫剤、調理用器具のコーティング剤等に使用されてきました。PFCsは、様々な炭素鎖の長さによる同族体が存在していて、この長さにより物性が大きく異なります。特に炭素数が8個のPFOS及びPFOAは、フッ素と炭素の結合が多く、安定的であり、切断をするのには高エネルギーが必要になります。そのため、環境中で分解され難く、高い蓄積性も有するので、世界の環境水中に広く存在しています。
  • PFOSとは、perfluorooctanesulfonic acid(ペルフルオロオクタンスルホン酸)の略称で、直鎖体の構造式は、図1に示します。PFOAは、perfluorooctanoic acid(ペルフルオロオクタン酸)の略称で、直鎖体の構造式を図2に示します。

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  • PFOSによる毒性影響は、ヒトにおける生殖発生影響に関するデータはありませんが、動物では、暴露した動物の胎児に影響を及ぼすことが報告されています。さらに、自然環境中では分解されにくく、高い蓄積性を有するなどの特徴があることから、残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(POPs条約)の第4回締約国会議(平成21年5月)において付属書B(製造、使用、輸出入を制限すべき物質)への追加掲載が決定されました。
  • PFOAによる毒性影響は、眼、皮膚、気道を刺激し、皮膚に付くと発赤、痛みを、眼に入るとかすみ眼を生じ、吸入すると咳や咽頭痛、経口摂取すると腹痛や吐き気、嘔吐を生じます。動物実験では、動物種によって大きく異なりますが、胎児の発達毒性があることなどが報告されています。さらに、自然環境中では非生物的又は生物的分解を受けにくく、難分解性が特徴となっています。残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(POPs条約)の第9回締約国会議(令和元年4月29日~5月10日)において付属書A(製造、使用、輸出入を禁止すべき物質)(※) への追加掲載が決定されました。
  • (※)PFOAに関しては、用途による適用除外があります。
  • これまで環境省で実施した水環境中の調査においては、PFOS及びPFOAの検出濃度の平均値は各国のPFOS及びPFOAの目標値等を下回るレベルにあるものの、一部の地域では、公共用水域等において水環境の暫定的な目標値(PFOS及びPFOAの合算値で50ng/L)の超過が確認されています。


【PFOS、PFOAがクローズアップされた経緯】

  日本では、「PFOS又はその塩」を「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律施行令」第1条の第一種特定化学物質に指定され(平成22年4月1日施行)、例外用途以外での製造・使用が原則として禁止されました。また、平成29年の改正で、例外用途が廃止され、すべての用途で製造への使用が禁止されました。
  令和2年5月26日に開催された「中央環境審議会水環境部会(第49回)」において、「水質汚濁に係る人の健康の保護に関する環境基準等の見直しについて(第5次報告)」が取りまとめられ、翌27日に中央環境審議会第5次答申として提出されました。その答申において、「ペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)及びペルフルオロオクタン酸(PFOA)」を人の健康の保護に関する要監視項目に位置づけ、指針値(暫定)として「0.00005 mg/L以下」(※) の値を設定することが適当とされました。 br> (※)PFOS及びPFOAの合計値。
  「水質汚濁に係る人の健康の保護に関する環境基準等の施行等について(通知)」(令和2年5月28日付)により、「ペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)及びペルフルオロオクタン酸(PFOA)」が公共用水域及び地下水の「要監視項目」に追加されました。



【ムラタの取り組み】

  「水質汚濁に係る人の健康の保護に関する環境基準等の施行等について(通知)」(令和2年5月28日)付表1に準拠し、 公共用水域や地下水のペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)及びペルフルオロオクタン酸(PFOA)の分析、調査を行います。



【使用する測定・分析機器一覧】

 LC-MS/MS装置
  • 液体クロマトグラフ/タンデム質量分析計(LC/MS/MS)

【関係法令等】



【参考文献】